自然歩道  

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霧島山縦走 韓国岳
獅子戸岳
新燃岳
中岳
1700.0M
1429.0M
1420.8M
1332.0M
2005.12.07 えびの高原登山口⇒韓国岳⇒獅子戸岳⇒新燃岳⇒中岳⇒高千穂河原
          
日本列島例年に無い早い寒波が訪れて、不安定な日が続き霧島山縦走が近づくにつれ気分もヤキモキする。
九州北部は降水確率30%前後。幸い宮崎地方は晴れマーク、鹿児島は晴れ時々曇りマーク。冬の天気は変わりやすいので
あまり当てにはできないが、それでも予報段階での雨マークよりも心強い。
早朝4時50分にハンドルを握って集合場所へ走る。

今日の参加者は15名。16名のところ1名寝過ごして不参加。
えびのインターを降りて韓国岳登山口を目指すが、どうやら霧島山は白い雪ですっぽり覆われているらしい。車道周辺も雪の風
景が目立ちはじめ、高度を上げて進むにつれ車道にも積雪が覆われはじめる。結局途中でタイヤチェーンをして登山口到着。
この状態では楽しみにしていた縦走は殆んど無理なんではという不安が少しずつ頭をよぎる。

登山口で全員アイゼン装着。冬山の経験といえば難所ヶ滝凍結時の三郡山の雪くらいである。アイゼンは4本刃しか装着したこ
とがない。6本刃も購入はしていたものの道具入れの片隅にしまい込んでいたままである。
前日に装着の練習をしていたので、以外と簡単に装着できた。実際に土を踏む感触も違和感なし。早く装着しないとGPSの衛
星捕捉からナビや軌跡の設定に時間を取られる。老眼鏡をせずに豆粒のような文字を読み取るのに何時も気が焦る。

10時8分スタート。空模様は青空が覗き風も無く、あたり一面真っ白になった雪道をサクサク音をたてながら一歩一歩踏み出
す足取りも軽やかに感じる。
雪に覆われた道を登ると次第に樹氷の世界が現れた。落葉したカエデやミズナラの樹林帯が美しいアートを演出している。
まさに樹氷のトンネルをかいくぐる感じ。こういう光景を目にするのは初めての経験。
    

登山口でアイゼン装着

樹氷のトンネル

      
高度を上げるにしたがって少しずつ視界が開けてきた。もう3合目あたりだろうか、後ろを振り返ると樹氷の中から、ぽっかりと台
形の形をした甑岳が見える。思わずシャッターを押しては素晴らしい景色に見とれる。
やがて少し広めの場所に着いた。5合目か6合目だろうか。いきなりここで食事休憩となった。午前11時、登り始めて約1時間。
食事休憩といっても地面は雪だらけで、腰をおろす場所もない。適当な場所で立ったまま弁当をパクつく。18分で出発。

この辺りから風が次第に強くなり、視界が悪くなってきた。なだらかな道のようで天気が良ければ、ここから見下ろす景色は素晴
らしいものと想像できるが、いかんせん見えるものはミヤマキリシマの樹氷の世界だけである。
    

後ろを振り返る(先方甑岳)

上:ここで食事

        
11時46分韓国岳山頂到着。スタートから歩きで1時間20分、食事休憩時間を含むと1時間38分。
山頂からは360度のパノラマらしいが、今日はまったく視界がきかない。風も相当強い。せいぜい山頂証拠写真と集合写真
を撮った程度で8分の山頂滞在後、獅子戸岳へ向かう。

獅子戸岳へは韓国山頂を東に進み、やがて右に折れて急坂を降りる。積雪の深さが登りよりもかなり深い。前を歩いた足跡
を頼りに前進。深さは膝の下あたりまでの深さである。先頭のガイドさんにチラッと目をやるとラッセル状態のようだ。
ただこの辺りは風がなくおまけに薄日が射す状態だったから、ガイドさんがつくってくれた足跡を頼りに進む後方の者にとって
は有り難い。鞍部では片足がスポッと入る位の箇所もあり、ここの鞍部の積雪が一番深かったような気がする。

途中で左側に池くらいの空地が見えた。水は無いようだ。突然の空地にあれはいったい何だろうということになったが、素人
者にはわからない。帰って自宅で調べたら琵琶池であった。やはり池だったが水の気配はまったく見受けられなかった。
  

韓国岳山頂

獅子戸岳へ向かう下りの道より高千穂峰を望む

       
鞍部から登ると獅子戸岳山頂。韓国岳から約2時間。証拠写真を撮って新燃岳へ。
獅子戸岳からはほんのり冠雪した美しい高千穂峰が見える。振り返ると下ってきた韓国岳がデンと見える筈だが、ここだけ
はベールに包まれたように顔を隠したままであった。
   

新燃岳へ向かう(右:新燃岳 左先方:高千穂峰)

         
獅子戸岳から斜面を下り鞍部を登り返すと新燃岳北端に到着。いきなり眼下にエメラルドグリーンの水をたた
えた火口が眼に入る。ここは山の本やHPで何度も見たことがある光景。雪に覆われた火口の斜面とエメラル
ドグリーンの調和が素晴らしい。

ここで全員アイゼンを外す。
火口の東側を約650M歩いた南端が新燃岳らしい。GPSもそこで登録されている。つまり北端から南端まで
の縦走路が新燃岳と見て良いようだ。
   

新燃岳火口

新燃岳北端より御鉢東側を歩き新燃岳南端へ

        
新燃岳南端から南斜面の板の階段を下りて中岳へ向かう。鞍部では湯之野の分岐に出会う。ここからなだらかな斜面を登り
返すと中岳山頂。

中岳山頂からは高千穂峰はもう目の前。山頂付近に薄日が射して、その薄日で浮き立つ雪に覆われた山頂の景色は見事。
その美しさに感動して何度も何度もシャッターを押す。
   

新燃岳北端より御鉢東側を歩き新燃岳南端へ

新燃岳より中岳へ向かう
中岳(後方高千穂峰)

    
中岳から今日の最終地点・高千穂河原を目指す。急な斜面の岩場を降りる。雪もすっかり消えかかっていた。
岩場が終わると緩やかな歩き。遠くに眼をやると錦江湾と桜島が直ぐそこに。さらにその先に微かにではあるが格
好良い開聞岳の稜線が見える。更に降りて自然観察路の案内板みて歩くと高千穂河原ビジターセンター到着。
中岳より55分。時刻は午後4時20分。韓国岳登山口を10時過ぎにスタートして6時間12分。実際の歩きは5時
間39分。食事と休憩時間は33分。殆んど歩きっぱなしのようだが、疲労はまったく感じない。

ひょっとしたら韓国岳で終わるかも知れないと自分に納得させていたものが最後まで縦走でき、おまけに素晴らし
い天候と雪道・雪景色、高千穂峰などの景色に恵まれてまさに心に残る縦走が出来た。
ひとつ残念だったのは山頂からの360度のパノラマが見れなかったこと、そして獅子戸岳、新燃岳、中岳で振り返
っても最後までその山容が見れなかった韓国岳だけが心残りであった。これはもう一度いらっしゃいというシグナル
だろうか。
それにしても雪の高千穂峰の山容は神秘的で素晴らしかった。是非ここも登ってみたい。
  

中岳より高千穂峰を望む

高千穂河原へ向かう
下:ビジターセンター

          
今日のルート図⇒地図クリック
        
今日の参考タイム

韓国岳登山口

食事

韓国岳

獅子戸岳

新燃岳
(南東端)

中岳

高千穂河原

10:08

11:00
11:18

11:46
11:54

13:52

14:46

15:18
15:25

16:20

タイムは実際に歩いた時間で個人差がありあくまでも参考です。
移動時間のみで休憩時間等は含んでいません。
尚、タイムはデジカメで記録された時間を表示しています。



   

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