自然歩道  

Back To Index

市房山 2007.11.04 1720.8M キャンプ場駐車場⇒市房神社⇒市房山(心見の橋)⇒市房神社⇒林道終点駐車場

          
お誘いを受けてKazさん、風来坊さんそして凧さん一家(3人)と市房山へ登ることになった。
先月10月末で山登りなるものをはじめてちょうど5年。まだまだ九州の山は知らない山ばかり。
お誘いを受けなければ市房山を登る機会はずっと後、いやこのままま登る機会を失っていたかもしれない。
自分以外は昨年の12月初旬にこの市房山へ登り、天気も良く樹氷の世界に感動し、もう一度登ってみたいとい
うことで、この時期に市房山を選んだそうだ。
自分も感動のおすそ分けにお付き合いさせて貰うことになった。

市房山へ登るに当たって、よくよく考えてみると熊本の山ははじめてということに気がついた。県境の山としては
大分と熊本の県境にある涌蓋山に登っているが、大分県の地熱発電所から登って疥癬湯に下山している。
疥癬湯が大分県なのか熊本県なのかはわからないが、お湯につかっただけである。
従って今回は正真正銘の熊本の山初登りである。

風来坊さんの運転でKazさんと自分3人で九州自動車道を人吉インターで下り、広域農道とかいう立派な道路を
ひた走り、最後に国道と合流して市房山キャンプ場の駐車場へ8時30分前に着いた。
同行予定の凧さんは家族3人で我々よりも早めに出発して、神社に近い駐車場から既に登り始めている筈。
我々はKazさんと自分はキャンプ場から歩き、風来坊さんは神社の方の駐車場まで進み、そこから登ることにな
った。

風来坊さんと別れKazさんと二人で8時30分歩き始める。本来ならばこの時刻であれば肌寒くヒンヤリとした感
じになると思うが、寒さはさほど感じない。取り敢えず上にフリースを着込んで歩き始めた。しかしものの5分も経
たないうちにフリースを脱いでしまった。

周囲は緑がいっぱい。それに格好良い杉林が続く。杉の木が少しずつ大きさを増して、感嘆しながら歩いている
とKazさんから「上はこんなもんじゃない」と教えてくれた。
やがて鳥居を過ぎると杉の大木がどんどん現れる。いちいち眺めていると首が痛くなりそう。樹齢800〜1000
年の老杉が市房神社まで約52本あるらしい。最も大きい杉は高さ50M、樹回り10M。とにかくどデカイ。

やがて丸太の橋を渡り、なおも大きな杉を眺めながら進むと、凧さん一家と風来坊さんがここから歩いたであろう
神社近くの分岐を過ぎる。
この分岐から約5分で、今度は八丁坂の石段を登る。やがて左上前方に市房神社が見えてきた。登り口の横に
水場がある。ここでKazさんが水補給。水場の横にはジンジソウが2株、花弁をいっぱい開いていた。

     



市房神社



ジンジソウ

八丁坂の石段

     
神社横の登り口から本格的な急斜面の登山口が始まった。急傾斜の連続で平坦な箇所は無い。丸木で作られた
梯子を何回も登りあがる。この辺りは山の本によると急斜面の崩壊地や崩れた旧道に迷い込まないようにとある。
その箇所がここなのだと注意しながら登る。
丸木段箇所も終わり高度900〜1000M辺りになると、周囲の景色は照葉樹の間から紅葉の景色が垣間見えて
きた。照葉樹の緑と落葉樹の淡い紅色のコントラストの風情はなかなかのもの。暫らくこういう景色を楽しみながら
少しずつ高度を上げる。

どの辺りだったかよく覚えてないが、先行するKazさんが右下方向を見て「鹿がいる」と言ってくれた。ほう鹿が居
るのかと目を凝らして下を見るが姿は見つからない。「鹿の鳴き声ですよ、聞こえなかったですか」といわれ、そう
いえば小さくヒュウーヒューという音が聞こえていた。これが鹿の鳴き声か・・・。この山には鹿がいるんだ。

やがて6合目馬の背に到着。馬の背は登山道の左手に岩場があり、登山道から廻り込むと市房山の山頂方面が
一望できる。ここからの紅葉も素晴らしい。
馬の背近くにアザミが咲いていた。今日見た野草はジンジソウとこのアザミだけ。
         

馬の背(6合目)から山頂方面

針葉樹の向こうに紅葉風景

        
馬の背を過ぎ7合目までの高度1000〜1200M辺り地点では照葉樹が少しずつ減り、紅葉の景色が登山道まで
迫ってきた。登山道が淡い紅色の雰囲気に包まれる。今までの険しい登りも忘れてこの雰囲気を楽しみながら進む。
この辺はアケボノツツジやミツバツツジが咲く箇所でもあるようだ。
    

ヒメシャラ

登山道に迫る紅葉風景

      
やがて高度1350M付近の7合目辺りにさしかかる。周囲の景色はクマササが目立ち始め、8合目からは紅葉がガ
クンと減る。視界は拓け振り返ると国見岳や烏帽子岳の脊梁山地の山々、その向こうに雲仙岳も一望できた。

9合目を過ぎると完全な潅木地帯となり、先方に山頂が見えてきた。山頂から先に登った風来坊さんが我々2人に
手を振っている。山頂はもうすぐそこだ。ここは元気100倍と言いたいところだが、正直言ってこの長丁場で9合目か
らの歩きは完全にへばっていた。ヘロヘロのヘ・・・。ただ足だけを義務的に・・・前に運ぶ。
    

落葉樹が多くなる(8合目付近)

山頂直前の潅木帯(9合目付近)

    
11時13分、やっと山頂へ立つことができた。キャンプ場駐車場スタートから2時間43分の登りであった。
山頂には風来坊さんと凧さん一家が我々を出迎えてくれた。しかし皆さん既に昼食は済んだ・・・・・・とか??!!
昼食が済んで既に寛いでいるということは、我々2人との時間差はかなりあったようだ。
凧さんとは9月10日貫山以来だから約2ヶ月振りであった。

山頂はとても穏やかで寒さ防止のフリースも要らないくらい。山頂には途中で出会った登山者もぞくぞくと到着。皆さん
秋の穏やかな天気に恵まれ、夫々リラックスした雰囲気で山頂を楽しんでいた。

市房山(1720.8M)

山頂で合流

      
凧さん 今日もカイトに挑戦。今日はカイトに適した風がありそうで無さそうで・・・・。カイトだけはなんとか揚がったようだ
が、カメラを持ち上げるまでの力強さが足らない。結局数メートル揚がったようだがそれ以上浮揚できず諦めたようだ。

さて一休み後、二ツ岩への縦走路を進むと「心見の橋」と言って心の卑しい人は通れないとされるチョックストーンがあり
そこからの紅葉が良かったと見て帰ってきた登山者の言葉で我々も行ってみることにした。
ブナ帯を下りてほんの10分程度だからザックを残してもよいが、そこまでのGPSの軌跡をとりたくてザックを抱える。
     

カイトを揚げる凧さん一家

二ッ岩と厳しい縦走路

      
歩いて10分程度で「心見の橋」へ着く。ここは脇道があって避けて通る道もある。しかし上から見たところ大きな岩を渡る
だけの通り道に見えたので躊躇せず渡ってみた。渡り終わった先の岩場からの眼下の紅葉は素晴らしかった。
岩場からの帰りは脇道を通ってこの「心見の橋」の構造がわかった。こんなヒヤリとするような岩場とは・・・・!!
    

心見の橋(この石を渡る)

心見の橋周囲の岩場

       
下山は先ず凧さん一家が一足先に下りる。続いて風来坊さんが続く。15分後にKazさんと自分が下山開始。
下山時は西斜面にいっぱいの陽がさしている。登りの時よりも一層紅葉は綺麗に見える。
結局7割くらいは登りで撮った箇所をまたデジカメに撮りなおしたような気がする。
1時間50分で市房神社へ下りる。そこに先行の凧さん一家と風来坊さんが我々2人の下山を待っていてくれた。

神社から神社横の駐車場へ。風来坊さんが上の駐車場に車を置いてくれたおかげで、下山時はキャンプ場までの歩きを省く
ことができた。
帰りは凧さん一家と一緒に近くの温泉で汗を流して、一路福岡へ。

      

今日の軌跡
   

樹林帯が多くGPSの受信が不確かな箇所が多く、多少修正しています。
分県ガイド「熊本県の山」の赤線のコースと、この地図での市房神社から七合目までの軌跡が
大きく外れています。
分県ガイドではほぼ黒破線通りに歩いていますが、この図では北側に大きく外れています。
コースが変わったのか原因はわかりません。従って六合目の馬の背の位置も凡そこの辺りだ
ろうという推測で書き込んでいます。
歩いたコースが大体こんなコースだったということで、ご理解ください。

inserted by FC2 system