自然歩道  

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経読岳
犬ヶ岳
  992.0M
1130.8M
H20.05.06 駐車場⇒経読南登山口⇒経読岳⇒笈吊峠⇒犬ヶ岳⇒大竿峠⇒恐渕⇒犬ヶ岳登山口

               
5月に入ると九州の山にはいろんな花が咲き出す。シャクナゲもそのひとつ。
昨年の12月に同じコースを歩いた時、犬ヶ岳付近の登山道で見たシャクナゲの樹の多さにびっくりし、こんなに
多ければその時期になるとさぞ圧巻ではないかと思い、是非シャクナゲの時期には訪れたいと期待していた。
今回はアウトドアの企画に参加することになった。

ゴールデンウィーク中は好天が続きだったが、5日前日には若干天気が愚図つき雨も降った。しかし一夜明けれ
ばまた快復。今日は絶好の山行日和。
目的地に着く前に寄った道の駅で、最高気温25度の予報に飲料500MLを追加補充。
狭い林道をひた走り侵入禁止の柵の前で登山準備。皆さんもシャクナゲに期待してか参加者19名。
柵を潜ってデコボコした林道をテクテク歩き、ドコモの中継塔の横を通って30分、登山口到着。

登山口よりいきなりの厳しい勾配を登りあがる。経読岳に近づくにつれシャクナゲの姿がポツンポツンと現れ始
めた。開花直前の大きな蕾みのものが多い。
ここでこういう状態であれば、あの犬ヶ岳のシャクナゲもきっと素晴らしいだろうと想像しながら進む。数こそ少な
いがミツバツツジも満開で大歓迎。
    



ミツバツツジ
(経読岳付近)

経読岳付近

       
登山口より30分、経読岳山頂通過・・・・いやいや到着だ。ここの山頂は小さな1枚の山頂標識だけ。三角点や小
さな標識を見過ごせば気がつかないでそのまま通過してしまいそうな所。人が3・4人立てばいっぱいになりそうな
山頂に20人が押し寄せたものだから、下の写真のように人が溢れ出そうな状態となった。
経読岳西側隣(歩いて1・2分)に「西界山経読堂跡」と刻まれた碑が建っている。ここにも経読岳992Mの標識が。
ここで集合写真と小休止。
   
経読岳の次は犬ヶ岳方面を目指す。小さなアップダウンを繰り返し若干変化に富んだコースを歩く。登山道はあまり
見晴らしは良くないが昼食・休憩した手前の地点で、南側手前に小屋ヶ岳(991M)が見渡せた。少しずつ展望は良
くなってきた。
やがてベンチがある広場のような所(小屋ヶ岳への分岐でもある)へ着き、少し早めの昼食・休憩。

昼食後、犬ヶ岳方面、先ずは
笈吊峠を目指す。ここからの道から少し周囲の景色が見れるようになる。南側に眼をや
れば手前に鹿嵐山、その向こうに由布岳、その西側には九重連山が見える。今日の遠望は良好。
北側に眼を転ずれば求菩薩山がすぐ目前に。最初は山頂の赤い上宮が見えていたが、移動するにつれて赤い上宮
が山頂の樹木に隠れて見えなくなった。
そして前方には目指す犬ヶ岳が聳え立っている。周囲の新緑に彩られた山の景色を見ながらの歩きは最高そのもの。
    



経読岳山頂

登山道より犬ヶ岳を望む

        
やがて笈吊峠の手前に差し掛かるとシャクナゲが群生している箇所がある。実はそこからシャクナゲの素晴らしい開花
がみれるのではないかと大きな期待を持ってここまで歩いてきたけれど、現実はそう期待通りには運んでくれない。
やがて笈吊峠へ着く。峠付近ではシャクナゲの開花がすこしばかりみれるようになった。あとは笈吊岩を登った後の登
山道での開花に期待する。
   

経読岳〜笈吊峠の登山道より

笈吊峠付近のシャクナゲ

         
笈吊峠を過ぎると難所笈吊岩の岩登り。ここを通過するには3つのルートがあって、峠手前が傾斜が厳しい岩ルート。
雨の時や雨後の岩が濡れている時は滑りやすく危険なため避けたほうが良いということであった。
その直ぐ右手向こうに手前よりも若干傾斜がやさしい岩ルート。それと岩を登らずに脇道を進むルート。
今日はどのルートを選ぶか・・・・。前日雨が降ったものの岩の状態は良いということで、厳しい手前の岩を登ることに
なった。今日はガイドのSさんが岩の中間で適切にガイドしてくれる。
すいすい登っていく人、足があがらずなかなか登れない人、参加者それぞれ。
前回は雨後で危険を避け右のルートを登ったが、難易度はそれほど差がなかったように感じた。全員岩を登りあがる。

岩を登りきっていよいよ犬ヶ岳へ。ここからも急傾斜の道が続く。ブナの木が茂るササの道を登りきると犬ヶ岳山頂。
このあたりのシャクナゲはまずまず咲いていた。しかし開花直前の蕾みの状態が多い。あと4・5日すればここを歩く登
山者を楽しませてくれるのではないかという印象だった。
広めの山頂で体を休め集合写真を撮って下山。



犬ヶ岳山頂

笈吊岩

   
下山は大竿峠に下りて経読林道出会いより恐渕を通って登山口の予定。前回は雨後ということと予定時間が遅れたこ
とで暗くならない内にと、危険を避けて経読林道出会いよりウグイス谷を下りた。今日は恐渕コースを歩く。
恐渕コースへ降りていくとやがて夫婦渕の立派な滝が眼前に。渕より流れ落ちる奥深い沢を見下ろしながら沢の渡渉
箇所へ降りる。途中、ズルっと滑りかけた箇所もあった。滑れば下は深い沢底。滑落注意という立て札がいやがうえに
も眼に入る。ここは慎重に進む。
渡渉箇所は水位が低く乾いた岩伝いに簡単に渡ることが出来た。

これで後は登山道を降りてマイクロバスが待つ駐車場へということになるが、ここでちょっとしたハッとする場面に直面。
最後尾で渡渉を終って沢より登りあがった地点で前を歩く女性の参加者がいきなりズルズルと滑った。
場所は沢側さえ注意していれば、まったく危険を感じない箇所。
この時点では単なる滑りと思った次の瞬間、彼女は足をとられて1回転して沢へ滑り落ちそうになった。滑っても下に樹
木等があればそれで滑落を防げると思ったが、下の沢まで何もない。一瞬これは大変なことになると思った時には自分
の体が反射的に彼女が転倒したところへ駆け寄っていた。ほんの2,3歩だった気がする。時間にして1秒足らずか・・。
幸いなことに転倒して仰向けになった時に彼女のザックが岩との滑りをとめたので、その瞬間に何でも良いから体の一
部を掴もうと手を伸ばして彼女の片足を掴み事なきを得た。すぐさま前後2名の参加者も駆け寄ってくれた。

このことを敢えて書くかどうかためらったが、帰宅して読んだ夕刊の記事に多良岳で70歳代の登山者が滑落で遭難さ
れた記事を読んで、これを読んでいただいた方々にも登山に対する認識を再チェックする機会になればと思い敢えて書
くことにした。
自分も今年の10月末で登山歴満6年を迎える。初心者を脱して少し山に慣れてきた頃。油断大敵。

その後、何事もなかったかのようにゴロゴロ石の登山道を歩いてマイクロバスが待つ登山口へ無事到着。
  

犬ヶ岳付近

恐渕の渡渉

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